DAW/DTM

自宅でマスタリング:: 第3回 マキシマイザー

リファレンスレベルをキープしながらINPUTを上げていく

成田浩一郎
マスタリングエンジニア/ サウンドプロデューサー

自宅でマスタリング

第3回 マキシマイザー

「第3回 マキシマイザー」 5m33s

マスタリングの最終段に使うのがマキシマイザーです。ここで最終的な音量を決めます。マキシマイザーとは、簡単にいうと音圧を上げてくれるプラグイン・エフェクトです。操作系にはいくつか種類がありますが、基本的なパラメーターは一緒なのが多いと思います。

まずOUTPUTですが、通常のマスターの場合、僕は-0.34dBにしています。別に-0.1でも-0.2でもよいのですが、長年、-0.34がしっくりきています。

マキシマイザーは、OUTPUTはこれ以上絶対に超えないという作りになっていて、INPUTでどれだけ音量を上げるかというプラグイン・エフェクトです。と聞くと、INPUTに突っ込めばいくらでも音量が上がるのかと思えるかもしれませんが、そうではありません。ある時点から音がつぶれていきますので、そこのギリギリを聴きながらINPUTを上げていきます。ここまでコンプレッサー、イコライザーの処理をしてきた流れでミックスのリファレンスレベルをキープしながら、INPUTレベルを6〜7dBにするとちょうどいい感じの音量になると思います。

あと、筆者がSonnoxの他に使うことがあるのは、以下のWAVES社の L2 Ultramaximizerなどです。機会があったら試してみてください。

コンプレッサー/ イコライザー
コンプレッサー/ イコライザー/ マキシマイザー

使用曲「染み/セットラウンドリー」

セットラウンドリー
公式HP | tunecore

まとめ

さて、マスタリングの基本的まとめですが、コンプで整え(第1回)、イコライザーでピークを削り微調整して(第2回)、マキシマイザーに入れて音量を整える(第3回)という流れです。この段階でイコライザーを再調整することもあります。欲しい音量まで上げると、どこかの帯域が歪んだりする場合です。その帯域を見つけ、調整することによって解決したりします。足し算、引き算の要領です。

ここまでマスタリングの基本的なアイデアを紹介してきました。自宅でDAWを使って自分でマスタリングをすることのメリットとしては、いつでもミックスに戻れることです。マスタリング時の2ミックス*の処理には限界があり、ミックスで解決する方が早いときもあります。自分でマスタリングすることによって、ミックスで処理すべきこととマスタリングで処理できることの判断ができるようになるのは良いことですよね。

僕の場合は、ミックスがある程度できた段階で、マスターフェーダーに自分のマスタリングチェーンを立ち上げて、ミックスしながらマスタリングも同時にやってます。この方法だと完成形を確認しながらミックスできます。皆さんも慣れたら挑戦してみてくださいね。

* 2ミックス:
楽曲制作の最終段階で、各パートごとの音源トラックをL、R(2チャンネル)のステレオトラックにまとめる工程、またはミックスダウンしたステレオ音源のこと。

成田 浩一郎
Koichiro Narita

ギタリスト、エンジニア、サウンドプロデューサー

中学生からギターを始め、その後、様々なバンドで活動。1992年に葉山のサージスタジオに所属し、充実した機材環境の中、ポストプロダクションおよびマスタリングを学ぶ。

1997年、独立してStudio Light Stuffを本格的に始動。 いち早くPro Toolsを導入し、レコーディングからマスタリングまでを自ら手がけるようにな り、数々の作品に関わる。

自らの作業環境をルームチューニング、モニタリング、ケーブル、電源システムまで徹底的にこだわり試行錯誤することによって、音響空間創造の知識を蓄える。

レコーディングにおけるエンジニアリングやサウンドプロデュース以外に、ギタリストと しても数多くのセッションに参加。近年はアレンジ、ライブレコーディングの分野でも活躍中。

レコーディングマスタリングスタジオ - Studio Light Stuff

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